「選択肢が多い=豊かさ」ではない
都会の生活ほど、
地方はモノにあふれていません。
だから、
都会は地方よりも豊かだとか、
地方は都会よりも劣っていると考えるは誤りだと思います。
モノがあふれている都会を「豊か」だと感じるのは、
その前提に「選択肢が多い=豊か」があるからです。
たとえば商品ひとつを購入するときでも、
ひとつだけよりも多くの中からひとつの商品を選ぶほうが
豊か(リッチな気分)だとぼくたちは感じます。
逆に限られた選択肢しか存在しなければ
それは豊かではありません。
このような「選択肢の多さ=豊かさ」という考えは、
資本主義社会が企業間の競争を生み、
人々にたくさんの商品やサービスを供給した結果です。
しかし果たして、
「選択肢の多さ=豊かさ」という前提は
正しいのでしょうか。
いいかえれば、
「選択肢が多くなればなるほど、ぼくたちは幸福になる」
のでしょうか。
ぼくはNoだと思います。
選択肢が多ければ、人は幸せになるとは限りません。
むしろ、様々な選択肢の中で人は迷い、ストレスを感じ、他人の選択に嫉妬を感じ、不満を抱えます。
「あらゆる選択肢が飽和化した現代」において、
ぼくたちが求めているのは「シンプルさ」「明確さ」ではないでしょうか。
選択肢は多くなくてもよい。
しかし、自分にとって本当に必要なものがほしい。
賢い消費者は、本当に必要なものだけを購買しています。
劣悪な商品は駆逐され、ブランドのある商品だけが残ります。
地方の生活は「明確さ」を持っています。
「シンプルさ」を持っています。
それを単調で退屈だと感じるか、
本当の豊かさだと感じるか。
ここが肝だと思います。